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ミューラル(壁画)を様々な視点から紹介するメディア

【パートナーインタビュー#03】日本を代表するミューラルのまちへ。「ミューラルタウンコノハナ」を伴走するパートナー・富士フイルム株式会社



まちなかに現れる世界各国のミューラルアート。WALL SHAREのオフィスがある大阪市此花区で、2023年9月から富士フイルム株式会社(以降、富士フイルム)と手を取り、プロジェクト「FUJIFILM instax™  presents MURAL TOWN KONOHANA(フジフイルムインスタックスプレゼンツミューラルタウンコノハナ)」(以降、ミューラルタウンコノハナ)が進められています。世界各国では、表現や広告のツールとして知られるミューラルですが、日本ではまだまだ浸透していないのが現状。


そんななか、日本を代表する企業である富士フイルムが、何故ミューラルを!?プロジェクトが2年目に入る今、プロジェクトに懸ける想いを、富士フイルム イメージングソリューション事業部の伊東 直哉さんと岡田 萌那さんに、此花のまちを歩きながらお話を伺いました。


mural by  Aretha Brown(オーストラリア)

「ミューラルタウンコノハナ」とは?


アジアやアメリカ、ヨーロッパなど世界各国のアーティストが大阪・此花区に集い、まちの壁に作品を残していくミューラルプロジェクトです。現在まで、描かれた総点数は20点(※2024年12月現在)。作品が増えるにつれてまちへの認知も広がり、「自宅の壁にも描いてほしい」という近隣の方の声も増えています。SNSを通じて発信される作品を見て、世界中のアーティストから「自分たちもこの町に描かせてほしい」「プロジェクトに参加したい」との連絡も押し寄せています。「人とアートが繋がるきっかけを圧倒的につくる」、をミッションに掲げるWALL SHAREならではの、日本初の取り組みとして力を入れています。


左から、岡田 萌那さんと伊東 直哉さん。WALL SHAREのオフィスにて

伊東 直哉さん | 富士フイルム イメージングソリューション事業部。アメリカや欧州のメンバーと共に、instax™のグローバルへの打ち出しを試行錯誤している。


岡田 萌那さん | 富士フイルム イメージングソリューション事業部。主にinstax™<チェキ>の国内販促を担当し、日々国内メンバーとともに国内におけるinstax™<チェキ>ブランド力の向上に取り組んでいる。



どちらも唯一無二。瞬間を切り取るinstax™<チェキ>とアーティストのクリエイティビティが重なった


ー今回のプロジェクトは、「instax™<チェキ>」(以降、instax™)の活用を促そうとするものですが、instax™の魅力はどんなところにあると思いますか?


伊東さん:   instax™は、国内で初めて販売されたのが、1998年と歴史のあるブランドです。そして今や国際ブランドとして確立しており、アメリカや欧州だけにとどまらず、アジアや中東でも売上が伸びています


instax™の魅力はその場で手軽に撮れて、その場でプリントされるところ。撮れた写真を囲んで、笑いが生まれて会話が弾む。単純にカメラを撮るだけのツールだけではなく、大切なコミュニケーションツールなんです。


岡田さん:   友達や家族、仲間たちとの大切な一瞬を想い出として切り取ってくれるinstax™は、日常や旅行などどんなシーンにでも活躍できるツール。メッセージカードやアート作品の一部に活用されることもあります。アナログカメラとして独特の色味や風合いを楽しめるのも、多くの方に楽しんでいただけている特徴かなと思います。


海外アーティストが制作中に子供たちと!

アーティストもinstax™で思い出を残す

ー「ミューラルタウンコノハナ」プロジェクトに参画したのはなぜでしょうか?


伊東さん:   instax™にこれまで接してこなかった幅広いジャンルのユーザーにも使ってもらいたいという思いがあります。音楽やファッション、スポーツなどの関連企業との協業を重ねて来ましたが、実はアートに関連する企業さんとの取り組みはゼロ。写真と近い領域にあるアート関連企業ともいつかコラボしてみたいと思っていた矢先で、WALL SHAREと出会いました。



伊東さん:   面白そうだなというのが、最初の率直な感想。面白そうっていう感覚は、社内で結構重要で(笑)。「面白そう、撮りたい!」と思う時にinstax™は使われるものなので。町なかでオープンに描かれるミューラルは、まさにライブな世界にひとつだけのアート。「こんなのが撮れた!」という写真が撮れる、ワクワク感のある唯一無二のinstax™と、その場に応じて唯一無二の作品を作り上げるアーティストのクリエイティビティが重なりました。


岡田さん:   アーティストの方は制作のために、町に滞在して制作されます。その最中に町の人とのコミュニケーションも生まれているはずです。それこそ一期一会の瞬間。人種や年齢を超えた交流は、instax™にも通じるものがあると思うんです。


mural by  Dan Kitchener(ロンドン)

伊東さん:   僕自身、一時期ヨーロッパに海外赴任していた時にたくさんストリートアートを見ました。向こうでは町なかにアートがあるのは当たり前。個人的にもアートが好きなのでプロジェクトに前向きな姿勢でした。海外駐在者が多い部署なこともあってか、企画書を持っていった時の理解度も深く、グローバルなプロジェクトなので、「いいじゃん!」とすんなり受け入れてもらえました。


そう、契約する直前かな。たまたまinstax™の新商品の打ち合わせでロンドンへ出張したのですが、プロジェクトの相談をしたら、ヨーロッパ各国のメンバーから「かっこいいし、相性がいいから、ぜひやるべきだ!」と後押しされたことが決定打となりましたね。



自己表現や創造性を大切にしたい


ー今回ミューラルタウンを歩いてみて見つけた、好きな作品を教えてください。


岡田さん:   CLOAK(マレーシア在住)の作品ですね。建物に付随しているもの全てを生かして描かれて、手前にあるパイプまでも!それでいてインパクトがあるし、発想力が素晴らしいです。


mural by CLOAK(クローク/マレーシア)

伊東さん:   僕は、YUBIA(スペイン在住)の作品です。見れば見るほど好きになる、キャラクターの愛らしさ!この作品が誕生したくらいの時期から、カジュアルなものやポップなものなど、『ミューラルタウンコノハナ』の作品の幅が広がり始めたなと感じた、記憶に残っている作品です。


mural by YUBIA(スペイン)

ー町に描かれているアートの自由度は高いですが、富士フイルムとしてどう判断されていますか?


伊東さん:   instax™では、もともとアーティストやクリエイターの方々の独自の表現を発信する「Give Squad」というプロモーションをしており、自己表現や創造性をサポートしたいという思いを持っています。ミューラルに関しても、公序良俗に反しない限りは、むしろ多種多様な作品が描かれることを期待していました。当初からアーティストの方の作品に口を出そうという想いはなかったですね。


少し余談ですが、当初は、instax™の街頭広告をミューラルで描いたり、ミューラルを観光客にinstax™で撮ってもらう企画などもご提案いただいていたのですが、それじゃあ面白くないとお断りしたんです(笑)。富士フイルムとしては、アーティスト支援やコミュニケーションサポートなど、もっと深いところで繋がりあえるプロジェクトにしたいと考えていたからです。


mural by Lugosis(ルゴシス/イタリア
mural by Yessiow(イエショウ/インドネシア・バリ

作品を通して、町にコミュニケーションを生む


ープロジェクトスタートから2年目を迎えました。今後の期待感などを教えてください。


岡田さん:   作品数が増えて迫力が出てきて、プロジェクトとして着実に進んでいるなと感じています。今回ゆっくりと町を歩いてみて、自宅の壁に描かれた絵を自慢げに紹介する住民の方に何人も出会いました。1年前と比べて、町の人達に受け入れられて、ミューラルカルチャーが、少しずつ根付いてきているのかなとひしひしと感じました。


ミューラルの壁を提供してくれた近隣住民の方
ストリートアートを特集する海外の冊子に掲載された、イギリス在住のアーティストNickWalker&SHEONEの作品

伊東さん:   instax™という製品は、お客さんに楽しんでもらうもの。瞬間的に「撮りたい!」と衝動的に動いた感情が写真になるものなんです。面白いなと思うものじゃないと使ってもらえない。そういう意味でもインパクト大のミューラルとの相性は抜群ですよね。


岡田さん:   このプロジェクトの魅力は、作品が生まれていくディテールの部分。アーティストの方々が、世界中から訪れる。言葉も通じないなかで、町の人とコミュニケーションを取るツールとしてinstax™が側にある……そんな風景を想像しています。世界中を旅しながら作品を描くアーティストの方を、instax™が町の人々との交流を手助けできるようなコラボにしていきたいです。


伊東さん:   今後の期待としては、人が集まり、より交流が生まれること。まちを訪れた時に、「あれ、これってinstax™がサポートしているんだ」と思っていただけるところが最初のゴール。素晴らしい作品をアーティストが描きに来る、ワクワクするような記憶に残る瞬間が町にたくさん起こる、面白い作品が撮れると人が訪れる、そして町にコミュニケーションが生まれる、そんな循環をつくりたいです。


mural by  NUT(中国)の作品の前で。フォトインフォト

(参照データ)

大阪の此花区を舞台にした国際的なミューラル(壁画)プロジェクトのプロジェクト


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