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ミューラル(壁画)を様々な視点から紹介するメディア

【クライアントさんに聞いてみた#02】「かんみらMURAL」はどうやって誕生したの?関西みらい銀行・針中野支店のミューラルプロジェクト


2024年8月に完成したばかりの「関西みらい銀行 針中野支店」にあるミューラル。その名も、「かんみらMURAL」!近畿圏の金融機関初の取り組みであり、銀行業界で最大級の作品でもあります。企画から制作まで、どのように進んできたのか、企画立案から担当された関西みらい銀行 経営企画部 成長戦略室の松本実穂さんにお話を伺いました。


地域銀行として、地域にアートで貢献できること


ーWALL SHAREを知ったのはどんなきっかけだったのでしょうか?


松本実穂さん(以下、松本さん):  2023年11月頃、スタートアップ企業と企業をつなげてくれる専門の企業からWALL SHAREの紹介をいただいたのが最初です。私の所属する経営企画部 成長戦略室では、金融の枠にとらわれない新しい取り組みを企画検討していますので、支店の外壁やシャッターを活用してなにか新しいことができるかも、という期待がありました。


オンライン面談でお話を伺って、率直に「ミューラル」に興味を持ちましたね。面白そうだなと。社内で検討を経て、「かんみらMURAL」プロジェクトが立ち上がりました。これが2024年2月頃でしょうか。

ー「かんみらMURAL」プロジェクトで目指していたことは、どんなことでしょうか?


松本さん:  大きくは2つあります。1つ目は、アートによる地域活性化。もう一つはミューラルという新しい存在によるPR効果です。


街中で、普通に銀行の看板を新しく出しても目立たないというか、溶け込んでしまってあまり興味を持たれないと思うんです。でもミューラルがあれば存在として目を惹くし、世の中的にまだ珍しく新鮮な取り組みとして見てもらえる機会になるのではないかと。


関西みらい銀行は、関西アーバン銀行と近畿大阪銀行の合併によって、2019年4月にスタートしましたが、まだまだ認知度が低い状態とも感じていました。今回のプロジェクトが、ブランドイメージの向上に繋がり、関西みらい銀行を知ってもらえるきっかけになればいいなと考えました。


また、りそなグループのパーパスは「金融+で、未来をプラスに。」。店舗を活用して本業以外でも地域活性化に貢献できる取り組みにつながればとも期待していました。

ーそうでしたね。プロジェクトがスタートしてから、まずはどこの支店で実装しようかというフェーズに入りましたね。


松本さん:  関西みらい銀行は大阪府と滋賀県を中心に、全267店舗あります。その中からWALL SHAREからのミューラルに適した、窓が少なく面積の大きい通称“良い壁”の視点も加味したアドバイスを受けながら絞り込み、針中野支店に決定しました。


テーマは「地域と未来」! 針中野の未来と銀行の未来

ー針中野支店のある大阪市東住吉区内には、WALL SHAREがプロデュースするミューラル「MURALのある駅、針中野」が先行事例としてありました。それも良かったですよね。

針中野駅構内の“MURALのある駅、針中野”(近畿日本鉄道株式会社) by Saori Ohwada

松本さん:  はい。私たちにとっても初めての取り組みでわからない点も多く、事前に各方面からアドバイスをいただきながら、社内で検討を重ね、テーマは「地域と未来」に決定しました。


「地域に存在する銀行」として、まちのシンボルになるようなインパクトを届けつつ、関西みらいと地域の未来に少しでもポジティブな存在になればという思いが込められています。地域が発展しなければ、私たちのような地域銀行は存続できません。またミューラルアートを通してまちが明るくなって、多くの人が集まる地域になれば、こんなに嬉しいことはありません。

ー2024年7月から制作がスタートしましたね。ここだけの話、プロジェクトを進めるにあたって問題などはありましたか?


松本さん:  初めての取り組みですので、社内から不安の声があったことは事実です。本当にうまくいくのだろうかという心配を抱えながらも、WALL SHARE側が重ねてきた事例や経験をもとに社内で検討を重ね、制作する運びとなりました。


でも、制作が始まるとそんな心配は消えていきましたね。私も現地で制作する過程を何度も見たのですが、感動しました。制作過程が共有できるアートっていいですね。出来上がっていく過程が見られることは、そこに住む地域の方に愛着を持ってもらえるきっかけにもなるし。

一番良かったのは、針中野支店の職員たちが協力的だったこと。テレビやニュースで取り上げられたのを見たよとか、窓口のお客様からこんな反応があったよなど報告してくれました。地元のアーティストが地方銀行の壁に絵を描き、そこに暮らす人や働く人がそれに感銘を受ける……というアートの力を実感できた気がします。

大阪在住のアーティスト・LANP(ランプ)。ピンク色の花を手にした巨大な黒い生物が、青空や森が広がる場所を歩く姿が描かれている。未来の生物!?

同じエリアの企業との連携も実現。地域活性化のかたち


ー良かったです。実際にそこで働く人に好意的に受け取ってもらえることは大切ですよね。

その他に、効果を感じられることはありますか?


松本さん:  同区内でミューラルを制作している企業と連携したイベントを実施することができました。想定していなかった嬉しい出来事でしたね。

同区にある、長居公園の“わくわくMURAL”(わくわくパーククリエイト株式会社)by GravityFree。かんみらMURALと同時時期に完成した
同区にある、ヨドコウ桜スタジアムの“HANASAKA MURAL”(ヤンマーホールディングス株式会社)by よかペイント

今回のプロジェクトを期に、近畿日本鉄道と「りそなグループキッズマネーアカデミー」を共同開催しました。近鉄日本鉄道様は、2022年から「アートのあるまち 南大阪」プロジェクトを始動されています。地域のお子さん達に、ミューラルを体感してもらいながら、路線図を使って、お金の役割を学ぶゲームや、クイズを両社で共同開催しました。地元のアートの取り組みと、お金・働くことの楽しさを楽しみながら学んでいただくきっかけになったと思います。



「りそなグループキッズマネーアカデミー」の様子

完成後は、ヤンマーホールディングス株式会社とわくわくパーククリエイト株式会社と連携した企画「トリプルMURAL コラボキャンペーン」を実施しました。それぞれのミューラルにまつわるクイズに正解すると抽選で商品をプレゼントするという内容でした。同じ東住吉区内で同時期に3か所でミューラルが完成したことを知っていただくきっかけになったのではないかと思います。


このプロジェクトを機に、金融以外のところでの他業界とのつながりが生まれ、協業のきっかけとなりました。今後にもつながる関係性が築けたことは大きなメリットといえますね。


ーありがとうございます。大阪市東住吉区内に4つのミューラルが誕生したことになり、WALL SHAREも媒介として地域に携わることができて嬉しいです。こういう同じ地域で活躍する企業と連携をすることも、一つの地域活性化だと感じています。

最後に、関西みらい銀行様が、今後取り組んでいきたい活動などがあれば教えてください。



松本さん:  銀行の業務の範囲や枠にとらわれない新しい取り組みを考えていきたいです。今回の事例は、“金融プラスα”の取り組みとして、一つの事例になりました。これからもさまざまな観点から、地域貢献に取り組んでいきたいです。



(データ)

関西みらい銀行 針中野支店

大阪府大阪市東住吉区鷹合2丁目1−8


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